ネパールのクマリの起源についてはいくつかの伝説があるそうです。
基本的はネパールがマッラ王朝であった時代の王様とタレジュ女神のお話です。
マッラ王朝は1200年から1769年まで続いた王朝ですので、そんなに遠い昔の話ではありませんね。
最も人気のある伝説によれば、王様がさいころゲームをしていた時に、タレジュ女神が王様の部屋にやってきて、それから毎日夜になったらタレジュ女神がさいころゲームをするためにやってくるようになりました。やってくる条件は、王様とタレジュ女神が会っていることを口外しないことでした。
しかし、王様の妻が、王様が頻繁に誰と会っているのかを調べるために王様の後をつけて行きました。そして王様の妻はタレジュ女神を見ました。それによってタレジュ女神がは怒って、王様に言いました。もしも、再びタレジュ女神に会い、国を守護してほしいならば、タレジュ女神が、ラトナワリのネワリのコミュニティの中で小さな女の子として生まれ変わった時に探さなければならないと。守護女神に対するお詫びの印になることを願って、王様は王宮を去ってタレジュ女神の精神(魂)が宿っている女の子を探しに出かけました。
毎夜、女神が人間の姿で王様のもとを訪れて、国の繁栄を話しながらさいころゲームをしていました。しかしある夜、王様がタレジュ女神に対して性的な関係を求めました。その結果としてタレジュ女神が怒って王宮を訪れるのをやめました。そしてその王様は後悔して、タレジュ女神に戻って来るように嘆願して礼拝しました。そしてついにタレジュ女神はヴァージンの女の子の体でシャキャ族から現れることに同意しました。
カトマンズのダルバールスクエアのタレジュ寺院の写真です。
クマリには上記のような伝説があります。今もクマリは、タレジュ女神の化身として考えられていて、毎年インドラ・ジャートラーの祭りでは、山車に乗ってカトマンズの町の中をめぐって人々の幸福と繁栄を与える役割を担っています。ネパールの国の運命を占う予言者でもあります。
その当時は国の王様とその国の守護神である女神が会うことができていたのですね。話を知ると少し悲しい感じですが、王様が過ちを犯さなければ、今でもネパールの王様と守護神との関係が続いていたのかもしれませんね。もしかしたら地球の各国にもそれぞれ守護神がいらっしゃり、そのことを口外しないだけで、その国のトップとの方と会われているかもしれませんね。
話の中に、魂と体は別であって、魂は生まれ変わると考える転生の考え方がしっかりありますね。将来、生まれ変わって王様になった時のためにも、いや王様ではなくても神様と会う機会はあるかもしれませんので、その時には神様との約束は守らないといけないなということを心に刻んでおこうと思いました。